メルボルンで開催されるF1オーストラリアGP

F1オーストラリアGPは第二の都市として有名なメルボルンで開催されます。F1と言えば普通は整備がちゃんとされたレーシング場で行われるのですが、オーストラリアGPの場合はちょっとユニークで、メルボルンの市街地を利用してレースが行われます。
メルボルンの中心部から南にあるアルバートパークサーキット場で開催されますが、普段は観光客や地元の人などで賑わっている公園アルバートパークは、レースが開催される時期が近づいてくると周辺に鉄柵などが設置され始め、のきなみサーキット場へとその姿を変貌させていきます。
このメルボルンの市街地がレースコースとして使われ始めたのは1996年からで、それ以前は同じくオーストラリアの南部の都市アデレードにて1985年から1995年まで行われていました。この1985年はオーストラリアGPがはじめて世界選手権の一部になった歴史的な年でもあります。

F1オーストラリアGPメルボルンの前はアデレードが開催地だった

現在レースはメルボルンにて開催されていますが、それ以前は南オーストラリア州のアデレードにて開催されていました。第16公園と呼ばれるヴィクトリア公園を基点にしてその周辺のアデレード市街地を疾走するというコース設定で、ヴィクトリア公園をスタートしてぐるっと市街地を1周してまた公園へ戻ってきます。
もともとこのヴィクトリア公園には競馬場があって、そのスペースも有効に活用されました。なお、この競馬場はその後2008年アデレード市議会にて競馬場の改修案が否決されたことにより、モーフェットビルに競馬場が移転されています。現在アデレートの市街地を利用したコースはF1ではなくスーパーカーの選手権にて距離が短縮され使われています。
現在でもアデレート市議会は南オーストラリアの州政府にアデレートでのF1レースの開催を復活するように調査を要請しているようですが、州政府の対応としては受け入れておらず、この要請を強く批判しています。批判の原因はアデレート市が資金負担を渋っているとして、州政府との資金負担額が折り合わないことが原因とされています。

F1オーストラリアGPが開かれるサーキット場はアルバートパークサーキット

このメルボルンで開かれるレースのサーキット名は正式名称アルバートパークサーキットと言い、1996年より毎年設置が開始されました。コースの全長はなんと5303メートルにも及び、このコースを58周も時計回りに回り続けなければなりません。コーナーは16ヶ所もあり、これらのカーブがドライバーを悩ませると同時に腕の見せどころでもあります。
カーブに差し掛かったときがライバルを抜く一つのポイントでもあり、コーナーでのドライビングテクニックがうまければうまいほどタイムにも差が出てきます。しかしコーナーがまた曲者で、ここはドライビングテクニックだけでは乗り切ることはできません。コーナーに入る直前には必ず減速をしなければならず、この際にも減速Gと呼ばれる縦方向の重力がドライバーに掛かることになります。
これらのストレートが各ヘアピンでつながっている難関コース、通称ストップアンドゴータイプのコースを2日から3日間かけて走り続けます。最大収容人数は8万人で、2019年には32万人超も訪れ過去最高の人数を達成しました。メルボルンでの見どころはこの通常の公園での景色とサーキット場へと様変わりをしたギャップの風景で、大いに楽しめるようになっています。